アベノナビのブログ
阿部野区工芸高校の外観

[阿倍野レトロビルヂング] 工芸高等学校の本館見学ツアー!!!!!

カテゴリー:レトロビルヂング

2015年5月2日

【阿部野レトロビルヂング】は阿倍野区にあるレトロ建築を紹介していく不定期連載です。

今回は先日、4/29の「どっぷり、昭和町。」の一環で行われた「大阪市立工芸高校の本館見学ツアー」に行ってきました!
工芸高校は1924年(大正13年?)に建てられ、本館は2000年に、大阪市指定有形文化財に指定されてます。
工芸高校の本館見学ツアー
本館の時計のある塔はドイツのワイマール工芸学校(後のバウハウス)の影響を受けたものらしいです。
バウハウスってなんとなく工業的とかシンプルとかのイメージですが、この本館の場合は直線と曲線をバランスよく取り入れたり、和洋を折衷していたりといろんな要素が組み合わさっているのがいい味出してるみたいです。

アンカンスと亀甲
本館の壁です。
和風の亀甲の柄と洋風の植物のような柄、和と洋をミックスしたモダンなデザインです。
近鉄百貨店のかべ
ちなみにこれは近鉄百貨店の壁の装飾。こちらは和テイストはなくて西洋のみという感じで一般的にはこういうのが多いですよね。

岸和田レンガか舶来レンガか
使われているレンガは“岸和田レンガ”とも、舶来モノのレンガともいわれているそうですが、はっきりしてなくて、もし舶来モノならめっちゃ貴重とのことでした。
窓の上部のレンガが縦に並んでるのは強度を強めるためみたいです。両サイドから力が加わっていて一つでも抜けると崩れるとのこと。めがね橋みたいなもんかなと思いました。

工芸高校の中
ハルカスをバックに。
こうやって見ると屋根の曲線がとてもいいアクセントになってます。
機能性以外のデザイン性や遊び心を所々に感じます。
このへんは、ワイマール工芸学校のヴァン・デ・ヴェルデ館の影響を受けてるらしいです。

あと、校舎の内側がグラウンドではなく中庭的な空間になっているのも美術系の学校らしくていいですね。(グラウンドは別の場所にあります)

工芸高校の中から
それを下の角度から。

土屋校長
中庭にある初代校長の土屋先生です。
遠目で見ると睨みをきかせているのかと思いましたが、近づくと実はちょっと微笑んでいるやさしい表情でした。

工芸高校の出入口

工芸高校の出入口
そのまま出入口へ。
シンプルなデザインとアール・ヌーヴォーっぽい植物の装飾が上品に配置されてます。

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入り口です。
レンガ造りの建物は洋風なのに瓦屋根や亀甲の装飾はは思いっきり和風。このへんがレトロさを感じさせるんかな〜。

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印象的な照明は戦時中の鉄不足で持って行かれて、後に復刻したものだそうです。

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この入口から両サイドに校舎が広がってます。L字の頂点を入口にするセンスもいいですね〜。
あと、学校は地域に開かれるべきという考えから道路に面した所を入り口にもってきたそうですよ!
直線と曲線、和洋折衷、この建物のテーマがこの入り口に集約されている感じがしました。


最後におまけで夜の工芸高校の写真を。